日傘初心者のための日傘の選び方

パラソルは機能とおしゃれとのバランスで選びたい!

日傘初心者のための日傘の選び方

文明開化の明治時代、色白を美人としていた時代、パラソルは、女性の憧れの品でした。
しかし「小麦色の肌が健康美人」などと、もてはやされたころは、パラソルは年配の方だけがが使うものだった時期もあります。

しかし近年、オゾンホールの影響で増えている有害紫外線UV-ウルトラバイオレット)と健康への関心から若い人でパラソルを使う人が増えています。そこで日傘のことをお話しましょう。


日傘選び

日傘を使う目的は

(1)涼しさ、
(2)日よけ-日焼けを防ぐ
(3)紫外線防止
(4)そしておしゃれ。・・・ですね。

1.涼しさ、日よけで選ぶ
涼しさ日よけで選ぶ日傘日傘は、帽子と同様に炎天下の頭の保護と暑さを防ぐのが目的で選ばれていましたし、その目的にかなう作り方をしていました。
◆熱くならない生地を選ぶ (生地の輻射熱が少ないこと)
自然素材が涼しい
元来日傘には、綿、絹などを使用していました。ウールも使っていました。これらの素材は太陽からの熱線を繊維の内側に蓄えてしまい、裏まで熱を通さないという特徴からです。
厚地や、二重張りの日傘も熱を通さず涼しい日傘といえます。
ポリエステルなどの化学繊維は素材自体が熱を帯び、その輻射熱で頭上が熱くなります。 暑さを防ぐ意味ではあまりお奨めしません。
◆熱くなった空気がこもらない生地を選ぶ(生地の通気が良いこと)
レースや麻など穴あきの生地を用いるのは通気性を持たせるためで、日傘の裏側に熱がこもらないようする目的があります。 穴があいていると幾分日が通り、日焼けするといって嫌がられる方もあります。涼しさと日焼けよけのバランスで日傘を選ばれていました。


2.有害紫外線防止目的で選ぶ日傘
最近は明確に有害紫外線防止を目的でお店に来られるお客様が増えました。
◆UV紫外線を通しにくい生地を選ぶ
紫外線を防ぐ(吸収する)生地はポリエステル(すけているものはダメ)、麻、綿の順です。ポリエステルの厚地の日傘もいいのでしょうが、生地がすぐにぬくもり、しばらくたつと生地が熱を持ち暑くなります。おすすめしません。

◆黒、濃紺、こげ茶などの濃い色を選ぶ
色で選ぶと同じ生地であれば濃色のほうが薄色より紫外線を防ぎます。
※黒がいいといいますが生地が薄くすけるようならばUVカット効果うすいといえます。厚地明るい色の日傘のほうがかえって紫外線を通しません。
◆UV加工の日傘を選ぶ

紫外線を防ぐだけなら厚地のポリエステルや麻や綿の日傘でかなりの紫外線を防ぎます。
しかし、残りの数%でも、有害な紫外線は防いだほうがいいといわれています。 その目的で生地に「UVカット加工」をした日傘が多くなりました。
◆傘の裏側の反射が少ない日傘を選ぶ
地面の照り返しの紫外線を防ぐには、傘の裏側からの反射にも気をつけて、裏面が濃い色のほうがいい。二重張りで表面が明るい色で裏面が濃い色のほうが、涼しさと紫外線防止の両方の機能を備えてるのかもしれません。

3.やっぱりおしゃれな日傘
昔から日本人は生活の道具に様々に装飾を施し、大切に扱ってきました。 綿、麻、絹などの生地の加工は昔から日本のお手の物。日傘にもさまざまな加工をしてきました。様々なデザインの日傘ができていますから、ご自分のファッションに合わせて日傘を選ぶとさらに楽しいですね。
日傘の加工
レース・刺繍 エンブロイダリーレース、スウェーデン刺繍、さし子、バテンレース、
染め柄 ろうけつ染、藍染めプリント、バティック
加工 オーガンジーボーダー、切り継ぎ、etc.

4.日傘の取り扱い、洗濯、しまうとき

日傘・晴雨兼用傘使用時のご注意いろいろ

日傘は色やけ、褪色にご注意ください。
日傘は過酷な太陽の下で使います。褪色(元の色が変色すること)が少ない染色を施していますが、紫外線の影響で色が薄くなってくるのはある程度仕方がないことです。
自分を過酷な太陽の紫外線から守ってくれたと思ってください。


家の中でも
傘を閉じたままで、日光や蛍光灯の当たるところにおいておくと光が当たった折り目のところだけ褪色(色やけ)することがあります。お気をつけ下さい。

開くときは急に開かないこと

日傘や晴雨兼用傘に使う生地は雨傘に比べ摩擦が大きいので、急に開くと生地がもつれて開きにくい場合があります。このことで骨に負担がかかり骨が折れたり曲がったりすることがあります。開くときは生地をほぐしてゆっくり開けてください。

折畳みやショートタイプの傘の中棒を縮めるときは骨を束ねてから

傘の中棒を伸縮させるタイプは骨(フレーム)を寄せてからではないと動かない構造になっています。半開きの状態で無理に縮める中棒のつなぎ目の部品に力が加わり中棒のジョイント部分の故障が起こります。お気をつけください。


日傘の洗濯、クリーニング

晴雨兼用傘は洗濯してもあまりきれいになりません
晴雨兼用傘の汚れは表面を軽く洗うくらいしかできません。撥水加工をしているために水をはじいてしまうからです。普段からできるだけ手垢や油などがつかないようお使いください。

木綿や、麻(防水していない日傘)はご自分で洗うことができます。
お天気の日に、普通の洗剤でブラシやスポンジで手早く洗って、十分に水洗いし、水を切って、短時間で乾くときには傘を広げた状態で陰干し(白は日なたでもいいです)します。乾く時間が長くかかりそうな日は半開きで干してください。

お天気の日に洗濯をするのは乾く時間が短くして色やけを防ぐことと、骨の錆が出ないようにするためと、乾いた後の仕上がりがいいからです。



おしまいになるとき
おしまいになる場所は室内の照明が当たらない、暗い場所に包装紙やハトロン紙にくるんでしまいます。室内の明るさでも長時間放置すると褪色(たいしょく)色やけすることがあります。ビニール袋には絶対入れてはいけません

 

日傘のお値段はどうやって決まるのか?

◆傘の値段は生地、骨、中棒、手元、加工費の合計です。
日傘に限らず傘の値段はお値段は2000円くらいから工芸の手加工品では数万円まで大きな幅があります。その価格は生地、生地加工費、骨、中棒、手元、それに組み立て加工費の合計で決まります

中国製造の日傘が増えていますが、量産した特別安い日傘の中には、部品や素材などの各パーツの信頼度が低いものがあります。
価格差で一番大きいのは生地と生地加工です。
一般に綿や麻の自然素材が高価で、ポリエステルやポリエステル・綿の混紡が安いようです。
直接機能に関係がないデザインや装飾加工で価格が高いものもあります。

日本洋傘振興会がパラソルに関するアンケートを実施。(2004.7)

●女性の45%がパラソル(日傘、晴雨兼用傘)を使用。「今年は使用したい」36%を含めると高い使用傾向。
●パラソルの平均所有本数はひとり1.8本。
●回答者の66.4%が、パラソルはファッションアイテムとして重要と回答。女性に限ると8割がファッション性を重視。
●パラソルを母の日に贈りたいと約71%が回答。
●パラソルが似合う人は黒き瞳さんに決定

紫外線と紫外線防止(UV)加工について

◆傘の語源?
「パラソル」は英語、日傘は日本語です。英語のアンブレラも、もとは日傘の意味だったんですよ。

しばた洋傘店オリジナル製品

※参考・当店で一番涼しい日傘


 
当社オリジナル二重張りの晴雨兼用傘

夏のエジプト旅行をするお客様のアイデアで作りました。
生地を二重にすることで間に空気の層ができます。二枚の綿生地の間に断熱効果が高い空気の層ができ、内側の生地に熱が伝わるのを防ぎます。UV防止効果も十分です。当店で一番涼しい傘です。

ひとことコラム


●紫外線防止効果最優先で選ぶとみんな黒一色というのも見ているほうでは楽しくありせん。やはりファッションコーディネイトとのバランスもも大切だと思うのですが。

●当店では日傘は日傘専用の防撥水をしていない傘をお勧めしています。
それは涼しさと紫外線防止という目的に最適であることと、洗濯が可能で永くきれいにお使いになれてかえって経済的だと考えるからです。
薄色の晴雨兼用傘が汚れてくると洗えませんから。

Weather Company 当店の取扱い品目、取扱いブランド

文責・柴田嘉和
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