第42回
新天町の視察団が渡欧

■洋画「麗しのサブリナ」から生まれた丈が短いサブリナパンツや邦画「君の名は」の真知子巻きなど、映画に登場した服装が女性の間でブームを巻き起こした1950年代。戦争からの復興と新しい時代への期待、豊かさへのあこがれがファッションに色濃く反映された時期であった。
 そんな1954(昭和29)年4月14日。新天町主催でファッションイベント「新しい女性美の教室」を催す。各店に入場券を置き、3500人を招待。講師にはファッションデザイナーで服飾界の権威であった藤川延子さん、瞳の大きな少女のイラストで人気を集めた中原淳一さんら4人を迎えた。モデルにはミス日本の原田良子さんらを招き、当時のトレンドを引っ張る人々が顔をそろえた。参加した女性たちは熱心に耳を傾け、熱いまなざしでステージに見入っていたという。
 「福岡の女性のおしゃれ度は東京と大差ない。開放的で好ましい」―。画家としてばかりではなく、雑誌「それいゆ」「ひまわり」「ジュニアそれいゆ」などの発行や服飾デザイン、エッセーなどを手掛け、モダンな美学と才能で幅広い活動を続けていた中原さんは、福岡の女性のおしゃれについてこんな感想を残している。

 

   
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