第36回
大歳の市 はかた式大宴会ご招待

■「心を持った商業集団として『福岡は本当にいいところだ』と誰もが思うような街にしたい」。1982(昭和57)年、新天町では「I LOVE FUKUOKA」と標語を掲げ、キャンペーンを行った。宣伝部は、11月27日から12月26日に開催する「大歳の市」の抽選景品を標語にふさわしいものにしようと知恵を絞る。その結果、特賞に「はかた式大宴会」という名案がひらめく。景品はほかに清酒1升だる300本、しるこ、雑煮パック2万本、以下空くじなしと太っ腹な内容であった。
 年が明けた1月13日夜、ラッキーな特賞当選者700人は、西鉄グランドホテルの鳳凰の間に招かれた。水炊き、がめ煮など博多の名物料理を振る舞う屋台が並び、福岡の銘酒などがテーブルを埋め尽くす。ステージのアトラクションでは、歌手の柏原芳恵さんが特別ゲストとして登場し、大きな歓声を受けた。そのほか、漫画家・長谷川法世、講談師・神田紅、博多独楽(こま)・筑紫珠楽、プロ野球選手・東尾修さんら地元出身の著名人がズラリ。さらには博多旧券番のきれいどころが華麗に舞い、那能津会による古民謡の演奏と盛りだくさんの演出で魅了する。会場のあちこちでは、どんたく衣装に身を包んだ新天町青年会の若手が応対に奔走した。
 お開きはもちろん「祝いめでたの若松様よ」の博多祝い歌の大合唱。「いよーっ、シャンシャン、も一つ、シャンシャン」と締めくくり、”博多尽くし”の宴会は、大盛況のうちに幕を閉じた。博多商人が集まってできた新天町。抽選景品一つにも、地域にかける熱い思いが感じられるエピソードだ。

 

   
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