■中国・広州市、フランス・ボルドー市、韓国・釜山広域市…。福岡市は世界各地の国の都市と友好・姉妹都市を結んでいる。１９６２（昭和37）年10月13日、福岡市初の姉妹都市になったのが、アメリカ・オークランド市。
　締結式には、ジョン・Ｃ・ホウリハン市長夫妻ら親善使節団20人、東京からはエマーソン米公使が来福した。そのパレードを飾ったのが、新天町どんたく隊。戦争で一度は途絶えたどんたくの復活に尽力し、さまざまな賞や話題をさらってきた新天町に声が掛かったのだ。
　出番は午後４時半。オープンカー19台を先頭に、どんたく隊を加え、関係団体の市民１２００人が博多区呉服町から中央区天神までパレード。沿道の歓声を浴びながら、会場の福岡スポーツセンター（現・ソラリアプラザ）に到着した。
　式典は午後５時半、市民５０００人が見守るなか、阿部源蔵福岡市長とホウリハン市長が調印のあと市旗を交換。同時にどんたく隊80人が「ぼんちかわいや」のおはやしもにぎやかに入場、舞台で「オリンピック音頭」を披露し、割れんばかりの拍手と賛辞を集める。さらに、どんたく隊と福岡古典舞踊協会による「黒田節」が演じられ、会場は親善ムードに包まれた。国際化時代を迎え、新天町どんたく隊の面目を示したひとこまであった。
　それから41年後の２００３年の９月27、28日。どんたく隊は海を越えた。韓国・釜山市で行われた日韓交流イベントの記念パレードに参加し、韓国の人々も大喝采（かっさい）。どんたくが国際交流の一翼を担う―。この粋な触れ合いは、今なお続けられている。