第23回
新天広告まつり

■初夏の楽しみといえば、何といってもバーゲン。新天町ではセール商品はもとより、毎年個性あふれる仕掛けで多くの人の足を引き寄せてきた。今回は1951(昭和26)年、夏のバーゲン風景をのぞいてみよう。
 6月9日から11日まで盛大に行われた「夏まつり大売り出し」。その告知を行う「新天広告まつり」もまた大にぎわい。新天広場に、各メーカーや商社の広告塔が並んだ。
 前宣伝には新天町ニュースカーを先頭に、「蚊帳の間」「パラソルマネキン」「浴衣マネキン」など、さまざまな装いを凝らした輪タク31台が市中に繰り出した。「メガネ博士」というキャラクターや山笠を知らせる飾りを乗せた輪タクも登場し、夏祭りさながらのにぎやかさ。道行く人々を楽しませた。
 また、8月の「夏物一掃大売り出し」では、衣料品店20店がこぞって、忠臣蔵で有名な堀部安兵衛に引っ掛けて安値を強調し?掘り出し安兵衛大売り出し?を催す。前宣伝には古めかしい高札を市内15カ所に掲げるユニークさ。高札には「一、夏物残品捨斬 一、辻斬罷り通る(吊布沢山)一、斬捨御免(売切れ御免)右、新天町に於て殺人的なで斬致し居るとの事、拙者助太刀に参上可仕、此間皆々様御来場願上候 安兵衛」。
 ハッとする企画で人々を振り向かせる。サービス精神満点の新天町の神髄は現在でも受け継がれている。
※輪タク…三輪自転車の後ろに客を 乗せられるような座席を付けた自 転車タクシーのこと。当時は一般 的な乗り物だった。

 

   
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