第10回
新天町のマーク

1947年春のチラシ

1971年の新聞広告
公募で1947年に誕生したマーク(右田静茂さん作)は、およそ30年の間、新天町の広告などに使われた。

1977年に制作されたハトがモチーフの二代目マーク。「本店の街 新天町」も馴染み深いフレーズに

■ 多くの人に身近な存在として愛されてきた新天町。馴染み深いマークやキャッチフレーズの存在も忘れてはならない。

 トレードマークが最初に作られたのは創業翌年の1947(昭和22)年。新天町の「みなさんとマークを考えたい」という思いのもとに1周年記念事業の一つとして公募され、寄せられた作品は各店頭に並べられたという。一般客の人気投票で一等に選ばれたのは、新天町に出入りしていた店舗設計業・右田静茂さんの作品。「新」の文字を大胆にあしらったデザインは、シンプルな分、一度見たら忘れられない。以後、このマークは新天町の飾りや催事用ポスター、広告にたびたび登場。およそ30年を商店街とともに歩んだ。

 二代目マークは77年(昭和52)年に登場。どんたく前の売り出し広告が初お目見えだった。デザインは、平和のシンボルであるハトが羽ばたく姿がモチーフ。新天町の限りない発展を象徴させたものだ。オレンジ、白、グリーンの鮮やかな3色が、ぐいと目を引き付ける。

 「ESSENTIAL TOWN 本店の街 新天町」の文字にも注目したい。これはその後、「本店の街=新天町」を広く印象付けるキャッチフレーズになった。発案者は当時の新天町宣伝部長・楢崎康二さん。楢崎さんは「例えば、私たちが旅行して、ここが本店だと聞けば『ほほう、そうばいな』と立ち寄ってみたくなる。ロンドンにはダンヒル、バーバリーなど本店を集めた通りがあり、変わらぬ信用と格調を保っている。そのように『本店の街』というフレーズは、お客さまに品質、価格の公正を呼び掛けるとともに、店主への戒めも意味するものです」と語っている。これらの目印は、新天町の変わらぬ心意気を私たちに伝えてくれるものだ。

 

   
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